想定読者
- 突然DXプロジェクトを任された非エンジニアの社内担当者
- システム開発の経験がないが、ベンダ選定の責任を負っている人
- 「何を基準に選べばいいか分からない」と悩んでいる人
1. はじめに:突然DX担当になったあなたへ
- よくある「いきなり任された」というケース
- 入社から営業畑でずっとやってきて順調に出世を重ねてきたのに、ふとした時に上からDXプロジェクトを任された!ITよくわからないし、Excelは使ったことあるけどDXなんて、、とお困りの方、必見です!
- この記事でわかること(ベンダ選定のポイント)
- 実際にITコンサルとしてシステム刷新案件でものづくりをしたり、まさに今この記事を読んでいただいている皆さまのようなユーザ企業のDX担当の方に寄り添ってベンダ選定を経験してきた私が、一番大事なところだけに絞って進め方をお伝えします。
2. ベンダ選定の前に考えるべきこと
- 目的とゴールを明確にする
- よくあるのが、「最近CMでやってる”〜〜”っていうSaaSサービスを入れたい!」とトップから指示が降りてくるけど、そもそもそれを入れて何のいいことがあるかは明確になってない、というケースです。ITソリューションは手段であって目的ではないので、「XXという業務が現場の業務の負担になっていて、だからこのサービスを入れたい」という目的をはっきりさせることが非常に重要です。
- 目的が明確になったら、導入した後の効果を試算してみます。
- (例)事務の担当者100人が1日1hかかっている業務をカットする、という場合
- 1日に100h、月に2,000h削減できる。
- 一人当たりの1日の稼働時間が7.5h、月20営業日働くとすると、1人が1ヶ月働くのは150hということになる。
- 2,000h÷150h=13.33…なので、13人分の人件費を削減できる
- 一人当たりの人件費が仮に月100万だとすると、ひと月で1,300万のコストカットになる
- (例)事務の担当者100人が1日1hかかっている業務をカットする、という場合
- よくあるのが、「最近CMでやってる”〜〜”っていうSaaSサービスを入れたい!」とトップから指示が降りてくるけど、そもそもそれを入れて何のいいことがあるかは明確になってない、というケースです。ITソリューションは手段であって目的ではないので、「XXという業務が現場の業務の負担になっていて、だからこのサービスを入れたい」という目的をはっきりさせることが非常に重要です。
- 業務・システムの整理
- システムを導入する目的やゴールが決まったら、導入する対象の業務内容を明文化します。業務マニュアルなどがあればそれでかまいません。
- システムについては、今の業務で使っているシステムがあれば、使っているシステムと、どんな画面があるかを明らかにします。既存で画面設計書のようなものがあれば、それで構いません。現行業務でシステムを使っていないのであれば、今業務で使っているExcelや紙などでも構いません。
3. ベンダ選定の段取り
ベンダ選定の段取りは、だいたい以下の5段階です。
- RFP(提案依頼書)を作成する
- 候補となるベンダに提案依頼をし、提案を受ける
- 提案内容を踏まえ評価観点を明確にし、ベンダと質疑応答を行う
- 観点に沿ってベンダの回答を評価し、発注先のベンダを決める
RFP(提案依頼書)を作成する
RFPというのは、ベンダに対して「こういうことで困っている。解決するためのシステム導入に向けた提案をしてほしい」と依頼するときに作成する文書です。ベンダはRFPに記載されている要求に対して提案を行います。
具体的には、先ほど挙げたようなシステム導入目的、期待効果、対象業務、現行利用しているシステムなどの説明を載せるのが良いでしょう。
候補となるベンダに提案依頼をし、提案を受ける
過去の案件で付き合いのあった会社や、上役の方が個人的にお付き合いのある会社など、候補の元はなんでも良いのだが、関係のある会社に対して提案依頼を行います。
多すぎると選定も大変なので、3〜5社くらいが良いでしょう。
提案内容を踏まえ評価観点を明確にし、ベンダと質疑応答を行う
提案内容が出揃ったら、評価の観点を出します(もちろん事前に出しておいてもOK!)
例としては以下です。
- 提案の中身
- 費用(イニシャル、ランニング)
- 納期
- 現行業務、システムへの理解度
- カスタマイズのしやすさ
- UIがユーザフレンドリーかどうか
- 法令対応などが発生したときに自動的にアップデートされるか
- 会社としての信用度
- 過去の自社との取引実績
- 他社取引実績
- 会社の売り上げ規模
- PM、開発メンバの質
これらの観点に対してベンダの提案内容だけでは明確にならないところがあれば、追加で質問をします。
観点に沿ってベンダの回答を評価し、発注先のベンダを決める
これで最後です!
評価観点を明確にして、それに対する各社の回答が出揃ったら、その観点ごとに採点(各項目ごとに1〜5で点数づけなど)を行い、社内承認にかけます。
社内稟議を通過したら、無事発注先決定となります!
7. まとめ:初めてでも大丈夫、準備と基準で差がつく!
初めてでも、ここまでに書いたポイントに沿って進めていけばうまくいくこと間違いなしです!
まだベンダを選んだところまでなので、近々要件定義など、具体的な検討の仕方もご案内していきたいと思いますので、引き続きご愛顧の程よろしくお願いします!
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